本記事はノーコードアプリ開発について全く知らなかった管理人が独学で勉強し、ここ大事!と感じた部分を記事にまとめています。
本ブログでは新UI画面で内容をまとめています。
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まずはじめに
- アプリ開発の経験が少なくても実用的なアプリを作成したい人
- 紙の回覧物を業務でなくしたい人
- AppSheetで出来ることのイメージを掴みたい人
- Automation機能を使い、自動で書類を作成する方法が分かる
今回の記事は、Automation機能を使って書類を自動で作成する方法についてです。
書類には印鑑が必要なことが多い・・ ということで承認印を押す方法を検討してみました。
まだまだハンコ文化が根強い日本では、ことあるごとに押印を求められます。
そんな仕事を少しでも楽にできるアプリを作ろう!と思い立ったので、その方法をまとめました。
なるべく汎用性が高い設定でアプリを作成したので、色んなアプリで実装を検討していただけると嬉しいです。
それでは勉強していきましょう!
本記事は上級者向けの記事になります。先に参考記事レベルの知識がある方が理解が早いです
実用的な出退勤を管理するアプリの作成手順をまとめています(^^)
【実用レベル】AppSheetで出勤アプリを作ってみよう
データシートの作成
申請内容シートのカラムの設定は以下になります。
名前のカラムに申請者のemailアドレスを取得するようにしておくのがポイントです。
そうすることで、Automation機能からデータの登録 → 登録内容を自動送信することが容易です(^^)
続いて、アプリユーザーシートのカラムの設定の紹介です。
こちらのポイントは、申請者の上長のemailアドレスを入力することです。
先の名前カラムと合わせてAutomation機能から、メールの自動送信の実装が可能になります。
データシートの準備ができたらアプリの作成に移りましょう!
データタイプの修正
AppSheetにデータを取り込みデータタイプの修正をします。
まずは、設定が簡単なアプリユーザーテーブルから修正していきましょう。
赤枠で囲んだ部分は特に大事な部分です。実際の登録データのイメージを参考にしてください。
続いて、申請内容テーブルを修正します。
こちらは修正が大変ですが、以下の流れを参考に1つずつ確実にこなしていきましょう(^^)
IDカラムの情報は意味のない情報なのでアプリ上では非表示とします。
Initial Valueには USEREMAIL()を入力してください。
カラムを.(ドット)で繋ぐデレフ機能については、こちらの記事を参考にしてください
AppSheetではrefの考え方は基本知識として抑えておきたいです(^^)
【誰でも簡単】データタイプrefの機能について
App formulaにref構文を入力することで、テーブルに登録された電子印を表示させることが出来ます。
赤枠を参考にデータタイプの変更をします。
Editable?に以下の関数を入力します。
ANY(SELECT(アプリユーザー[管理者],[email] = USEREMAIL()))
この構文は、閲覧権限や編集権限を付与したいときに便利です。必ず覚えておきましょう!
EditableにFALSEを入力したときの挙動については、こちらの記事を参考にしてください
カラムの編集に権限を持たせる方法について学べます(^^)
【TIPS】Editableに関数を入れたときの挙動
以上でデータタイプの編集は完了です。お疲れさまでした(^^)
アプリ画面を整える
データタイプの編集が終わったら、次はViewの設定を行います。
まずはアプリユーザーViewを整えます。手順は以下を参考にしてください。
参照テーブルはアプリユーザーを選択
今回はCard Viewでアプリユーザーを管理する設定で試みます。
Viewの作成が完了したら次は実際にアプリを使うユーザーの登録をします。
各カラムのデータ入力が完了したらSaveボタンを押して保存します。
STEP.2と同じようにアプリユーザーの登録を行います。
STEP.3は上長がいない人の登録画面になります。
STEP.2とSTEP.3を繰り返し、アプリを使うユーザーを登録していきましょう!
アプリユーザーのView画面に戻ると、上の写真のように登録ユーザーが一覧で表示されるようになります(^^)
新規登録された申請を上司に知らせる
次に、申請書が作成されたら上長に自動でメールを送信するAutomationを作成します。
注意点として、Automationによる自動化はデプロイしていないと使用できません
デプロイについては、こちらの記事を参考にしてください
データタイプの設定やAutomationの注意点などAppSheetの基本について学べます(^^)
【まずはここから】抑えるべきAppSheetの基本項目
Automationを作成する際に重要な点を抑えていきましょう。
- Data ChangeのAddsを選択
- Tableは申請内容テーブルを選択
- Task categoryはSend an email
- Email TypeはCustom templateを選択
- Toに[名前].[上長]と入力
この記事内では、メールの文章はStep.4のEmail Body Templateに入力します。
Email Body TemplateのCreateをクリックします。
自動で生成されたドキュメントの編集をするためにViewをクリックします。
このドキュメントの編集内容がメールの文面になります。
先ほど作成したEmail Body Templateの表示を確認します。
<<_ROW_WEB_LINK>>がClick Hereとなり、リンクが自動で生成されます。
これで登録した案件の自動メール送信の設定は完了です!
上司印と上司コメントを入力するアクションボタンを作成する
次は申請中の案件を上司が確認して、レスポンスをするアクションを作成します。
考えられるアクションとしては
- 申請内容を承認する場合
- 申請内容を却下する場合
が考えられます。この2パターンを想定してアクションを作り込んでみたいと思います(^^)
上司が承認する場合
まずはこちらから機能を実装していきたいと思います。
赤枠の部分の変更をしてアクション作成します。
上司コメントには[_INPUT].[上司コメント]、上司印には[名前].[上司印]を入力します。
Advancedにあるinputsに上司コメントの設定をしておきましょう。
Actionsは上にステータスを承認に変えるアクションをセットしてください。
Only if this condition is trueには以下の構文を入力します。
AND(
ANY(SELECT(アプリユーザー[管理者],[email] = USEREMAIL())),
[ステータス] <> “承認”
)
この構文の意味するところは、
- 1.役職が上長であること
- 2.ステータスが承認ではないこと
この2つの条件を満たしたときだけアプリに表示されます。
これで上司が承認するルートは完了です。お疲れさまでした(^^)
続いて、申請したけど却下を受けたときを考えてみましょう。
上司が却下する場合
このパータンも大事なので、作成を試みます。
設定としては、承認ボタン作成とほぼ同じです。
赤枠の部分の変更をしてアクションボタンを作成します。
上図を参考にしつつ、アクションボタンを作成します。
Advancedにあるinputsに上司コメントの設定をしておきましょう。
Actionsは上にステータスを却下に変えるアクションをセットしてください。
Only if this condition is trueには以下の構文を入力します。
AND(
ANY(SELECT(アプリユーザー[管理者],[email] = USEREMAIL())),
[ステータス] = “申請中”
)
この構文の意味するところは、
- 役職が上長であること
- ステータスが申請中であること
この2つの条件を満たしたときだけアプリに表示されます。
これで上司が却下するルートの作成は完了です。
実際のアプリでは、このあと”再申請”をするのでその設定が必要になってきますが、この記事では割愛します。
上司承認後に自動で書類を作成する
今回の記事で一番重要な設定です。
ここまでスマートにデータでのやり取りが出来ているので、このまま申請書も自動で作ってしまおう!というのが今回最もやりたいことです。
- 上司が承認をしたタイミングでAutomationが発火
- 申請者に申請内容をまとめた申請書兼承認書がメールで送付される
こういう機能を実装していきたいと思います。
Conditionには以下の構文を入力してください。
AND([_THISROW_BEFORE].[上司印]<>[_THISROW_AFTER].[上司印],
ISNOTBLANK([上司印]),
[ステータス]=”承認”
)
上記の構文を入力することで、
- 上司印カラムが空欄ではなく画像が更新
- ステータスカラムが承認のとき
これらの条件を満たすときのみBotが発火します。
AutomationのTIPSは参考記事にまとめています
データ更新に加えて発火条件を制限させることが可能です(^^)
【簡単設定!】[_THISROW_BEFORE]の使い方
Toには申請者である[名前]をセットします。
ここが一番大事な設定です。細かく見ていきましょう(^^)
Attachment TemplateのCreateをクリックします。
自動で生成されたドキュメントのViewをクリックします。
Googleドキュメントで作成したいPDFの雛形を作成
注意点として、AppSheetに登録したデータの値を入力したい場合は、カラムを << >> の括弧で囲う必要があります。
これで自動で書類を作成する設定は完了です。お疲れさまでした(^^)
アプリ動作の確認
最後に作成したアプリの動作検証を行いたいと思います。
必要事項を記載してSaveを押します。
上の写真の内容で上司に自動でメールが送信されます。
STEP.2で届いたメールのリンクをクリックすると以下の画面に遷移します。
届いたメールのリンク先から上司は承認または却下の判定をします。
今回は承認を押した場合を想定して進めます。
申請者と承認者の欄に押印がされた申請書が自動で作成されます(^^)
まとめ
以上、申請案件について電子印の捺印までデータ上で管理し、最後は自動でPDF化する方法についての記事でした。
今回はかなりハイレベルな内容となりました。
最後までしっかりついて来られた読者の方は、既に立派なノーコードアプリ開発者だと思います(^^)
今回の記事では割愛しましたが、他にも考慮すべき点として
- 上司に却下された時の自動メールの送信
- 上司がチェックしていない時のリマインドメールの設定
- 見積書など書類を添付する設定
このあたりの設定もやってあげるとより高度なアプリになります。
記事内容について何かありましたらページ下にあるコメント欄からコメントをお願いします。
わかりにくかった部分や間違った情報などご指摘いただけると嬉しいです!
勉強お疲れさまでした(^^)
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